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36号その他記事

36号その他記事

◆古川柳かづみ読み(12)「妻の手をもぎりはなせば…」徳道かづみ

  妻の手をもぎりはなせば母の文
 夫が居間に入ると、妻が手にしていた文を隠した。これは怪しいと、その文を見せるように言っても、妻は頑として出さない。ますます怪しいと、妻を押さえつけて奪い取ってみれば、妻の母からの文だった、という句。
 自分が疚しいことをしていると、妻の素振りにも怪しいものを感じるもんですね。

*会員・徳道かづみが、毎回テーマを変えて「誹風柳多留」の作品を鑑賞。現代の私たちにも通じる江戸の人々の思いや行動のあれこれを楽しくご紹介します。


◆一期白書~出会い・出合い・出逢い~

 百田尚樹氏による小説『永遠の0』がベストセラーとなり、漫画版が刊行され、去年十二月には、映画が公開されて大ヒットした。(中略)私がこの小説を読んで、思い出した恩師がいる。高校三年時の担任、F・平五郎先生である。……(門前喜康「恩師 F・平五郎先生」より)

*恩師、サークル仲間、女医さん、本に映画。会員・誌友の語る様々な出会いの数々。あなたの大切な「出会い」は、どんな思い出ですか?


◆特集 安藤まどかさんを悼む

*2014年1月、故・時実新子先生のご長女で「川柳大学」発行人だった安藤まどかさんがこの世を去りました。今回本誌ではミニ特集として四人の追悼文を掲載しています。


◆特集「わたしの震災 あなたの震災~阪神淡路大震災から東日本大震災へ~」より

 それは見事な虹の真下の三号機   山河舞句(宮城)
 黄ばみゆく記憶よ罹災証明書    金子喜代(東京)
 怒涛の海よ少しは穏やかになったか 別所花梨(島根)
 ホタルイカあの日で消えた大津波  松本光江(兵庫)
 罅のあるままの我が家で亡夫と居る 宇田ミドリ(兵庫)
 被災地の少女がそっと見るこぶし  川人良種(兵庫)
 フクシマの林檎を食んでいる非力  茉莉亜まり(兵庫)
 窓の波見つめて歌う卒業歌     中野文擴(兵庫)
 どこを見て生きろというか瓦礫の中 夕 凪子(大阪)
 募金箱抱えたままの寒い胸     渡辺美輪(兵庫)

*東日本大震災から3年。遅々として進まぬ復興を、それでも立ち上がる人々を、今の思いを川柳に。1995年の阪神淡路大震災を経験した神戸の思いと共にお届けします。

★その他いろいろなコーナーがあります。
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36号作家紹介・安井茂樹

36号作家紹介・安井茂樹

◆安井茂樹自選50句「畑にいます」より抜粋

手のひら開く花びら開くようにして
春うらら頭が邪魔になってくる
よっこらしょ腰がこの頃よく話す
土のにおい草のにおいのする方へ
どの服もみんな野良着にしてしまう
うれしくて犬のしっぽになっている
白菜の自慢話ですいません


◆「安井茂樹五十句「畑にいます」を読む  穴原明司」より抜粋

  柱にはならないけれど柱です
 何ともペーソスに溢れた句。力はないのに所帯主に奉られているこそばゆさ。巧まざるユーモアに思わず頬が緩む。作者のお写真を見ると、謹厳実直そのもの。(中略)揺るぎない信頼感に裏打ちされたお人柄なればこそのユーモアに拍手。


◆安井茂樹さんインタビューより

●川柳をはじめられたのは?
 四十代です。なにか自分を表現できるものはないかと、朝日新聞滋賀県版の文芸欄の短歌、俳句、川柳を見ていました。その中から川柳を選び、滋賀の柳壇に投句をはじめました。1993年くらいだったでしょうか。ほどなくして、はじめて柳壇で入選したのは、〈りんごよりみかんの気持ちちょっと知る〉でした。
●どんな時に川柳が浮かびますか?作句のご様子を教えてください。
 作句はたいがいウォーキング中です。障がいのある子どものケアの仕事をパートでしています。その事務所の行き帰りに琵琶湖のほとりをウォーキングします。そんなときに作ることが多いです。


*毎回、会員誌友の中から「この人に会いたい」という人にフォーカスしてご紹介する作家紹介。自選50句、作品鑑賞、インタビューにより、たっぷりページを割いて川柳作家の素顔をご紹介いたします。

36号「群舞」より

36号「群舞」(渡辺美輪選)より

デザインカッター走るさびしくなんかない 福島 小川敦子
時どきは忘れています君のこと      福岡 近藤ゆかり
存在の意義を問われている素数      鳥取 平尾正人
切なさをついつい漏らす瓶の口      大阪 田中日出夫
私をグラグラさせる枯れた字で      島根 別所花梨
目論見があって媚びてる猫のヒゲ     山口 富田房成
風景はみつめられると美しい       島根 川本 畔
右左向けば忘れて一人鍋         東京 山口こたい
ひとひらの雪がこんなに重くなる     青森 岡田千加子
幸せはじっくりでよしこなくてもよし   兵庫 上月 長

ほか 会員誌友78名

*「群舞」は、会員・誌友各自の投句(5句まで)から、選者(渡辺美輪)の選により選び抜かれた作品を掲載。
選後評も併せて掲載しています。

36号「群像」より

36号「群像」(会員自選作品)より

円を描くために戻ってゆくところ  大阪 久保田 紺
ほんとうのことは言わずに笑ってる
頬づえの高さに見えていましたね
欠けたところが光ってる濡れている
煙を辿ったら海に出るだろう

ぬかるみで打ちたくなった句読点  兵庫 田村 尋
全身で雨受け止める午後三時
思い出を飴玉にして転がした
返信のメール短くなって春
赤信号新しい風吹き抜ける

秋田県内陸南部雪へ雪       秋田 石垣 健
生きるためただそのために食べている
冬銀河捨てねばならぬものはなし
寒梅忌情無用と雪は降る
たび立ちの歌でこの世を締めくくる

凝視する電子カルテに深い森    東京 金子 喜代
ばっかじゃないと室井佑月のだるい声
床擦れのもしももしもに惑わされ
ストーブに灯油を入れて明日のこと
三日月を拝んだ日から眠れない

やるかたがなくて噴き出す蟹の泡  香川 丸本うらら
全身に空き缶纏いムンク展
咲くまでの月日が痒い指の先
いちにちをぬるめの水で溶いている
ほうれい線上げてご飯が炊き上がる

他 会員52名作品掲載

*「群像」は、会員自選作品のコーナーです。毎回、各会員が自選5句を発表しています。

36号「前号秀句十選」

36号「前号秀句十選」より

近藤ゆかり選
ジオラマの街に積もってゆく時間  金子喜代
風を待つようにあの人待つベンチ  門田 浩
この冬のまずは大根漬けてから   安井茂樹
一言で粉砕したい長科白     若林よしえ
折角の背中押す風だったのに    平尾正人
介護して頂けるかを妻に問う    近藤良樹
経歴書 ずっと人間です以上   徳道かづみ
振り向けば亡母が愛したムクゲ咲く 松本光江
理性からコンセント抜き月は朔  茉莉亜まり
真直ぐに立ちあがっても霜柱    夕 凪子

久保田半蔵門選
孤独死の芯まで乾くキリギリス   金子喜代
遠近の境あたりで見るピカソ    門田 浩
生きようぜわれら寂滅適齢者    石垣 健
大人しく笑っていたい鍋の中   若林よしえ
停止線 ここから先は無限です   近藤良樹
私も墨で書かれた物語      佐渡真紀子
朝起きて歯みがきしたらもう師走  沢井 啓
火だるまの猫が走ってゆくこの世  三好敦子
雨の線思い出すなと言っている   野上藪蔵
まあだだよ 福祉の森が混んできた 伊藤玲子


*「前号秀句十選」は、前号掲載の会員自選作品「群像」から毎回5人の選者が各10句を選び、短いコメントと共にその句を鑑賞するコーナーです。5人の選者の選とコメントの個性をお楽しみください。

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