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学割制度導入について

「現代川柳」では、次代を担う若い川柳作家を応援するために、学割制度を設けます。

大学生以下の方は、会員・誌友とも年間3000円で誌面に参加できます。
(通常は 年間 会員15000円、誌友7000円 *誌代・送料込)

会員は、「群像」「群舞」「誌上句会」など、全ての投句コーナーに自由に投句できます。(誌友は「群像」を除く全てのコーナーに投句可)
年間6冊、1冊あたり500円。
ちょっと試しに読んでみようかなという学生のみなさん。見本誌をお送りしますので、どうぞお気軽に事務局までお問い合わせ下さい。
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39号その他の記事

その他の記事

◆「一期白書~出会い・出合い・出逢い~」 より

「ミーハーですが」 小栗淑子
「鳥ちゃんとあった!」と家族に急ぎメールした。「鳥ちゃんと在った? どういう事?」「意味不明」仕事の間をぬって返信が届いた。
「鳥谷選手と天神でバッタリ出会った!」と打ち直した。
 二〇一一年三月三日、当時夫の赴任先の福岡でサイクリングがてらに買い物途中だった。真昼の人混みの中、一人の青年に目が止まった。「まさか!」と思ったが近づくにつれ、入団時から応援している阪神タイガースの鳥谷選手がショッピングバッグを両手に歩いて来る。(後略)

「福島に住むマリ」  鈴木厚子
私の田舎の中学校は、学年二クラス六十七人。そこに中学三年のとき美人で頭のいいマリが転校して来た。帰る方向が一緒なのでアッコ・マリと呼び合いながら、自転車通学の帰り道、時には河原でオヤツを食べ道草を楽しんでいた。マリは小学校教師の子で、威張ったりすることもなく、優しい子だった。私の家は貧しく、当時は心のどこかでマリが羨ましく、妬ましく感じていた。 (中略)
 東日本大震災の日、福島に暮すマリは、自宅の百㍍先に津波が迫る中、勤めていた福祉施設のお年寄りの安全確保に必死だったと、やっと通じた電話で話をしてくれた。外界から閉ざされた状態で情報が乏しく、原発のことも一切知らされず、ケイタイも中々通じず、ラジオからは音楽が流れるだけで、とても不安だったという。(後略)

「ふれあい」 流郷貞子
 神戸市北区に越してきて九年。生まれてこのかた引っ越しばかりの人生だった。或る本によると「酉年は住居定まらず」。「どこに居ても食には困らない」と書いてあった。考えてみればそのとおりだ。やっと此処が終の棲家となる。
はじめはお連れもなくさびしいなと思っていた。でも、川柳をしていたのと、芦屋に住んでいた時にボランティアの朗読会の経験があった。コープさんの朗読会で盲の方たちのためにテープに吹き込んだりしていた。(後略)

*会員・誌友の方々の、心に残る「であい」について語るエッセイ「一期白書」。三者三様のふれあいをお楽しみ下さい。

◆「大会この一句」より

結び目をほどくとちょうどいい長さ 中川 浩
 
執着から解放された時の心地良さを思い出しました。心をするっとほどいて開眼させてくれる一句。(佐渡真紀子)

本当のことは書けずにまだ白紙   田中日出夫
 エンディングノートを書けだの、遺書を書けだのと騒がしい。
 預金の残高を書くのも、亡くなった時に、そっと知らせて欲しい人の名前を書くのも、なんとなく不安である。誰にも見付からないように仕舞い込んでしまうと、肝心な時に役に立たないようだしなあ。(杉浦まりこ)

結び目の歯ごたえが好き昆布煮る  高橋兎さ子
 言われてみると「ああ、煮昆布は結び目の歯ごたえが旨いんだ」と気づく。そして、人と人との結び目に思いを馳せる。べろん、とろりじゃ長持ちはするまい。夫婦も家族も友人も、結び目には適当な緊張感が必要。「昆布煮る」の具体に説得された。(上藤多織)

順番に門をくぐって透き通る   中川 浩
 浩さんの句は本当に難しい言葉は使わないで、自然に詠まれているのにとても中味が味わい深い。浩ワールドならではの世界。人柄がそっくりそのまま句に表現されている。いつも「うーん」と唸らされる。上手い!(別所花梨)

*6月29日に開催された現代川柳第四回大会。その入選句から、会員誌友のみなさんに「この一句」を選んでいただきました。

*他にもいろいろなコーナーがあります。

39号作家紹介・丸本うらら

◆丸本うらら自選五十句「おもちゃ箱」より抜粋

舞い降りたところでぽぽと咲いている
みんな敵みんな味方な花の下
ベベンベン 2・2が4と孫生まれ
筋肉と脂肪のような間柄
新しいブラジャー花柄の明日
ストローでこの世の外の空気吸う
起承転 結の抜き足忍び足
白雪姫も王子も老いてオモチャ箱
にんげんになるのにちょうどいい時間
おおかたは鼻のまわりで暮らす夜
遊びすぎたなぁと海に入る夕陽
海から空へ まっこうくじら泳ぎ切る

◆「丸本うらら五十句「おもちゃ箱」を読む」 小原由佳 より抜粋

うららさんの句では時々、耳慣れた音や声がユニークな使われ方をしている。
 竹とんぼ君の宙だよオーレオレ
オーレオレとはサッカーでよく聞くスペイン語の「オレ(いいぞ)」だろうか。宙に突き抜ける喜びが溢れている。お子さんかお孫さんを詠んだ句のように思われる。この絶妙な感情表現、句意を十二分に引き出す力をその言葉に持たせている。(中略)
  白雪姫も王子も老いてオモチャ箱
 うららさんのオモチャ箱を覗くと、麗しい姫も王子も老いていっているのだ。ごちゃごちゃっとした箱の中では、老いるまであーだこーだと言い合った歳月があったのだろう。(後略)

◆丸本うららさんインタビューより

●「うらら」という素敵な柳号の由来は?
 楽しいことが好きで、一見、脳天気ののんびり屋です。うららかな日和、うららかなことが好きで「うらら」としました。2000年ごろから使っています。「うらら」にしてから、なにか、ぽっと解き放たれて自由になった感じがしました。まわりからも、「うららになって、句が変わったね」と言われました。
●ご自身のご気性と、それにまつわる句がおありですか?
 曲がったことや弱い者いじめが嫌いです。そして、両親がしてくれたように、誰にでも公平、公正でありたい。強きにおもねず、弱気を思いやることを忘れないように心しています。《義侠心すぐに心中していまう》なんて句もあります。

*毎回、会員誌友の中から「この人に会いたい」という人にフォーカスしてご紹介する作家紹介。自選50句、作品鑑賞、インタビューにより、たっぷりページを割いて川柳作家の素顔をご紹介いたします。

39号「群舞」より

初蝶を追って樹海へ紛れ込む     香川 門田 浩
アジサイの立ち枯れ恋を占えば    福島 小川敦子
脳味噌がカラリと揚がる文の月    香川 丸本うらら
押し合い圧し合い雑用どもが主張する 長野 宮本草子
夜の雨少年思いを告げぬまま     富山 新井恵子
抱きしめてほしくて隙間あけておく  兵庫 前田邦子
もっと空へもっと祈ればはちがつに 滋賀 安井茂樹
優しげに曲りはじめた君の背     兵庫 野口多可
笑い話喉元過ぎたあの恋も      東京 原口美智江
あざみ咲き故郷とおく人を恋う    兵庫 松本光江
わたしなら黙ってもらう金の斧    神奈川 若林よしえ
DNAで遠隔操作されている 香川 高橋兎さ子
生きていく縦へ横へと芝刈り機    青森 岡田千加子
赤い橋ようやくただの橋になる    大阪 小原由佳
きみまろになってビールを飲んでいる 兵庫 門前喜康
炎天下赤いポストは仁王立ち     神奈川 森 孝夫
納得のいかぬ雫がよじ登る      島根 川本 畔
すずかけの窓にまあるいお月さま   高知 広瀬鮎美
まだ少し遠慮もあってズッキーニ   香川 太田牧子
ひと言でざわめき出した金魚鉢    香川 津村 華
穏やかな一日なのに飲み下す     兵庫 清川和音
許すとはもはや諦め夜の雷      兵庫 流郷貞子

他 会員・誌友78名

*「群舞」は、会員・誌友各自の投句(5句まで)から、選者(渡辺美輪)の選により選び抜かれた作品を掲載。
選後評も併せて掲載しています。


39号「群像」より

    香川 丸本うらら
水無月のこんな眩しい地平線
三角のグラスに注ぐ花のとき
饒舌のバラバラになる骨と肉
指差し確認夕景へと溶ける
カナカナの明日を一枚着る予報

    滋賀 安井茂樹
畑まで迷惑メール届きます
夏のまん中ピーマンはみどりいろ
雑草に負けた私と唐辛子
わからないはわからないまま秋の草
柿の木の影で休んでゆきましょう

    秋田 石垣 健
特攻と称ばれ少年生かされる
伏龍の名まえで海に放られて
殉国の思いも使い捨てだった
膝は折る負けたとまでは言わないが
あと少し生きる平和は守らねば

    兵庫 杣 游
大花火……「空襲警報」街の闇
きず遠くピカドン終戦 八月だ
いろいろに「君が代」歌いだまされる
今はむかし虚々実々に回顧録
日の丸が大きくなって おそろしい

   大阪 久保田 紺
ちょっと浮いて考えないようにしている
負けるはずでした船首を上にして
沈まないように結んである夕日
帰れます見たことのない扉から
非常口の甘そうな緑色

   兵庫 杉浦まりこ
築百年ひとりで暮らす里の叔母
勧めても杖は要らぬとよぼよぼと
叔母の歳母は逝ったとふと思う
叔母は叔母 生みの親だと世間言う
田舎暮らし自然確かに豊です

   兵庫 中川 浩
蝉よりも早寝早起き朝ごはん
八月の雲に向かって手を合わす
ポンと蹴りゃニャンと鳴くから出かけよう
そう言えば隠れたままの原節子
蟻が目を覚まさないうち蝶になる

    神奈川 近藤良樹
他人事のように過ぎゆく老熟期
老いらくの恋に恥などあるものか
淡い恋ぎりぎり止めるホッチキス
もやもやと雨月に生える死の不安
北原野 地球は丸い星と知る

   香川 門田 浩
セミの穴つついて探す少年期
そっと来て貝のコーラス聴く浜辺
満ちてくるものありポストへと走る
老いてなお艶なる人と飲む新茶
やんわりと鼓膜つついてくるアルト

  香川 上藤多織
道草のぶらりぶらりと満ちている
十鉢の夕顔咲かせ一人住む
山姥にされ好物の真桑瓜
夕映えに甘えていたい藤寝椅子
いい湯だな足の雌伏をなでてやる

  熊本 野上藪蔵
少しの間ですよね君の居留守も
綻びを舐める一人のウィスキー
面倒くさくて優しい振りばかり
癌らしき瘤を従え樹が伸びる
回りきった独楽が意外な方を向く

   神奈川 若林よしえ
嫌われてそうかそうかと火が消える
丁重な謝意に潜んでいた敵意
途中から不眠の訳を知る羊
藍甕に浸し斑な迷い消す
額ずいてさてどの神に祈ろうか

他 会員50名作品

*「群像」は、会員自選作品のコーナーです。毎回、各会員が自選5句を発表しています。


39号「前号秀句十選」

前号秀句十選 近藤ゆかり選

顔に雨受けて命の匂い濃し      新井恵子
畦を刈るアザミの花の咲いてから   安井茂樹
引き際を雨に打たれてふと思う    平尾正人
口開けてしまう毒かもしれないが   佐渡真紀子
カレンダーあちこちにあり落ち着かぬ 宇田ミドリ
摂理かな髪の毛薄く髭は濃く     近藤良樹
テレビには別の老後をやっている   中川 浩
へちま流に生きる力まずくさらずに  上藤多織
春水と顔が合わないなと思う     加島 修
五日広島八日長崎 漢字の街だった 中野文擴


前号秀句十選 平尾正人選

蜂蜜をべったり 男のしょうもなさ    夕 凪子
六月のろくでもないと思う空       渡辺美輪
残月を日割りで支給されている     近藤良樹
他人の子を見にゆく白い炎天下     小川敦子
あなたには明るい種をあげましょう   香月みき
炊きたての知恵も力も出るご飯     三浦昌子
そうねあなたはそこが一番弱いのね  佐渡真紀子
張り紙の増える男の台所        中川 浩
育てたいように育たぬ豆の花      久保田 紺
眠る人見守る人と生きている      野上藪蔵


前号秀句十選  香月みき選

夏の風切って自分に着地する       岸本きよの
口開けてしまう毒かもしれないが     佐渡真紀子
今日も好い日だ妻の眼が優しい      近藤良樹
腹くくる紐はゴム製すぐ伸びる        梅田 旬
逢いたい逢いたいカルボナーラ食べている 別所花梨
丸く見えるのは包んであるからよ      久保田 紺
金魚の死だれにも抱いてほしくない     小川敦子
おしくらまんじゅう だあれも泣かせない  道家えい子
死ぬ覚悟あれば自由と書いてある     加島 修
名月や首を吊るなら縄のれん        杉山昌善


前号秀句十選  井上青柿選

どなたかと問うてくる友夕焼け小焼け  梅田 旬
おうちにいます私の空を見ています   香月みき
ポツンと雑草広い都会のど真ん中    宇田ミドリ
百本も足があるのに這うムカデ      若林よしえ
今日も好い日だぞ妻の眼が優しい    近藤良樹
掌に決断迫る羽の音            芳野寛子
「お待たせ~」やってきたのは誕生日  鈴木厚子
老いらくの恋は沈んでゆく夕日      杉浦まりこ
ほうたるを呼ぶときみんな甘い声     夕 凪子
君恋えば棘をなくした薔薇に似る     徳道かづみ


前号秀句十選  茉莉亜まり
10代の10年間の10の闇         馬場美那子
諍いの上 じっと月が立っている    新井恵子
庭に来るのは懐かない鳥ばかり    小川敦子
出口の手前のただようための椅子   久保田 紺
青いもの集めて海へ流れ込む      香月みき
確信のない鍵穴に鍵を差す        中川 浩
中間の色で破滅の道を行く        芳野寛子
石ひとつ大事な人が抜けた穴      田村 尋
これ以上変われないねと虫は這う    川本 畔
正解は白さのままでいるノート      杉山昌善


*「前号秀句十選」は、前号掲載の会員自選作品「群像」から毎回5人の選者が各10句を選び、短いコメントと共にその句を鑑賞するコーナーです。5人の選者の選とコメントの個性をお楽しみください。

39号目次

現代川柳39号(2014年9月)目次

◆前号秀句十選
 井上青柿・近藤ゆかり・香月みき・平尾正人・茉莉亜まり

◆川柳作品
・群像 (会員自選作品)
・群舞 (会員・誌友投句作品、渡辺美輪選)
・誌上句会「ところてん」 上藤多織選
・人間の目社会の目 山河舞句選

・誌上互選句会 第29回「露」結果発表
・「露」に寄せられたコメント
・第30回「割る」投句一覧

・初心者講座「輪」 夕 凪子選

◆作家紹介・丸本うらら
・丸本うらら五十句「おもちゃ箱」
・丸本うらら五十句を読む 小原由佳
・丸本うららさんインタビュー

◆連載エッセイ
・古川柳かづみ読み(15)「長泣きをせよとて…」徳道かづみ
・ときめき地図(14)「青い石」中川千都子
・小児科の窓から(3)平尾正人
・月の子の風景(12)無我と我(その2)茉莉亜まり
 付・淡路放生川柳作品および放生に当てた新子の書簡

◆会員リレーエッセイ
・一期白書~出会い・出合い・出逢い~
 小栗淑子・鈴木厚子・流郷貞子
・川柳の風景
 松本光江・吉田利秋

◆エッセイアンソロジー
 杉浦まりこ・田中日出夫・久保田 紺

◆わたしの選んだ前号この一句
 新井恵子・小川敦子・穴原明司・岡田千加子

◆38号を読んで 木割大雄

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美輪@brownycat

Author:美輪@brownycat
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